須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成30年11月号掲載
軽減税率制度
  いよいよ、平成31年10月1日から消費税のアップとともに軽減税率制度が導入されようとしています。これに対して、日本税理士会連合会、日本税理士政治連盟は次のように要望しています。

 消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持
1.単一税率の維持
軽減税率(複数税率)制度は、区分経理等により事業者の事務負担が増加すること、逆進性対策として非効率的であること、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となること等の理由により、従来、単一税率制度の維持を強く主張している。
低所得者への逆進性対策としては、例えば、あらかじめ国が一定額を入金したプリペイドカードを配布する方法や、一定額の簡素な給付措置などによる消費支出の負担軽減策等を検討すべきである。

 2.請求書等保存方式の維持
 平成35年10月に導入予定の区分経理等のための適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)への移行は、事業者及び税務官公署の事務に多大な影響を与えることから、行政手続コスト削減の方向性に逆行することのないように配慮又は見直しをする必要がある。この点については、例えば、請求書等に一定の記載事項を追加することにより、区分経理は十分可能である。

 3.消費税のあり方についての抜本的な見直し
 事業者の負担と徴税コスト等を考慮し、仕入税額控除方式(インボイス方式を含む。)及び免税点制度等の見直しを含めた消費税のあり方について抜本的に再検討すべきである。特に、免税事業者が適格請求書等を発行できないことに伴い、不当な値下げ要求等により経営状態が圧迫されることのないよう対策を講じなければならない。

 以上です。
 私も、少子高齢化の進行に伴い、消費税率が上がることはやむを得ないと思いますが、単純な税率アップとし、ある程度のところで税率を固定した方が良いと思います。税の実務を担う専門家の意見が通らず、軽減税率制度が施行されようとしていることを危惧する今日この頃です。


                所長 須田幸英
 事務所通信11月号掲載
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